美術館は好きだけど、美的センスが驚くほどない彼女です。ごきげんよう。
今回は美術のインプット方法を学びたくてこちらの本を読んだのでまとめます!
ちなみに1回読んだだけじゃ全てをゲットするのは無理だったよ!!!
この本を読んだきっかけ
もともと美術的なセンスが壊滅的になく、美術館に行くときに「有名な絵を見た!」という実績解除的な見方をしておりました。
しかし、学べることが少なく、どんな絵だったか思い出せない鑑賞にコンプレックスを持っていたため、ちゃんと見方を学びたい!と思っていた時に出会った本です。
有名な絵に触れるときの作法を、見るべきポイントを、美術を学びなおすきっかけを、と思い読み始めました。
作者、秋田 麻早子さんについて
岡山県生まれ。2002年テキサス大学オースティン校美術史学科修士課程修了(MA)。専攻はメソポタミア美術。2015年よりビジネスパーソンの学習の場・麹町アカデミアで「絵を見る技術を学ぼう!」を不定期で開催。
「絵の見方を教えて欲しい」と言われたときに、どの絵に対しても使える技法を説明することが出来なかったためこの本を執筆しようと決めたとのこと。
本の内容ざっくり紹介
名画を実際に紐解いて、絵の見方が分かるようになる本。
ホームズとワトソンのやり取りのもあった「見ているが、観察していない」。
この言葉は普段美術品を鑑賞するときの私たちにも当てはまる。
例えば、下調べなしで絵を見ると、多くの情報を見逃してしまう。
また、訓練を受けた美術生に比べ、一般の私たちでは見ている範囲や目線の動かし方が異なっている。
絵を見るセンスとは造形言語を意識的に見る手法を学ぶことである。
この本では、より細かく、6つの技法を解説することで何の前知識もない状態から絵を見ることを楽しめるようになる本です!
自分の共感した/心に残った話紹介
・明暗さで、フォーカルポイント(主役)を見つける
お恥ずかしい話なのですが、絵を見るときに主題を考えることもありませんでした。
パッと見て「これ目立つ絵だな~」と感じることはあっても、明確に意識して見つけることが出来ませんでした。
この本で説明されている【白黒にして明暗さから見つける】という手法にとても驚きました。
一冊通してみる中で、自力で意識して主題と何が主役なのか意識して見れるようになりました。
・経路を探すと工夫が見える
絵を見るときに端の方まで細かく見ることは少なかったです。
また、小物の意味まで考えず、ただ華やかになるだけかと思っていました。
しかし、小物や背景のちょっとした形が大きな意味を与えていることがある。その事実に驚きました!
また、名画ならではの、『人の目が絵から外れないようにする』工夫がとても面白く画面端に物が描かれていたら要チェック!というのが心に残りました。
今度からは絵画の四隅にも注目したいと思いました。
・色のバランスのとり方の年代差
当たり前といえば当たり前なのですが、時代による絵の具の高価さに気付いていませんでした。
特に今回解説されていた、青は高価な絵の具で、それ故に宗教的に意味のある重要人物や高貴な人に使われているという話はとてもためになりました。
絵が描かれた年代や、使われている色を意識して絵画を見たいと思いました。
感想
学ぶことが多すぎて、一読では終われない本です。
今回は特に一番心に残ったのが上で説明した3つですが、他にもすごく面白くためになる事がたくさんありました。
名画と呼ばれている絵で実践的に学ぶことが出来るので、私のように美術的センスが欠乏している人間でも楽しく、効果的に学ぶことが出来ました。
専門的な解説は多いため、ちょっと読むのに気力が必要でしたが、全部に実例が伴うため専門用語を覚えなくても思い出せる技法が多くありました。
読んだら美術館に行きたくなる本でした!
オススメな人
・美術館に行く意味が分からない人
→読んだら面白さから美術館に行きたくなります!
芸術作品が人に与える印象を細かく解説、分析できるので面白いです。
・美術館で絵をパッと見て素通りしてしまう人
→私みたいなタイプの方。一回読んでみましょう。
この本では見るポイントを学ぶことが出来ますよ。
・美術に関心があるけど、何から始めていいか分からない人
まず、見方から始めることで気になる項目が分かってきます。
この本でもあえて詳しくは書かれていない部分があるため、気になって勉強を始める気になりました。
以上、この本のお陰で自粛が解けたらやりたいことリストに美術館が加わった彼女でした!
いやー、過去に行った大英博物館とかルーブル美術館が惜しかった。今からでも遅くないから絵を楽しみたいですね。