生きる記録

feel so good

「何歳までサンタさんを信じてた?」

今週のお題「クリスマス」

 

私は、サンタクロースの存在をかなり強く信じてた。窓を通り抜けるのかもしれないし、玄関からこっそり入ってくるのかもしれない。

もしかしたら大人はサンタさんと知り合いで、夜になるとこっそり招き入れてるのかな、と。

自分の周りで聞いてみたけれど、サンタの正体を知った年を覚えている人が少なかった。

おぼろげに小学生の頃とだけ覚えているようだ。

高学年ではもう正体知ってたけど、いつ、何がきっかけだったのかは覚えてない例が多かった。

 

私は、自分がサンタクロースの正体を知った日のことを鮮明に覚えている。

ショックのためその年のクリスマスを無邪気に喜ばなかったことも。

「妹はまだ小さいからバラしちゃダメだよ」

と、言われ、自分はもう知ってしまったんだ…と再度ダメージを受けたりした。

 

それは、小学四年生の冬まで遡るーーーーー

 

「サンタは絶対にいるって!!!!!!!!」

 教室内で揉めてまで、サンタの存在を信じていた。

「親がいないって言ってたもん。いないんだよ」

「信じない子のところには来ないんだよ。だからいるの!!」

普段は大人っぽいと言われていたはずなのに、変にムキになってサンタの存在を訴えていた。

 

絶対にいる。だって、クッキーも食べてくれた。

今にして思えば何の根拠にもなっておらず、実際に反論の余地しかない発言だった。

 

「じゃあ、証明してみてよ」

 

それを言われて当時小学四年生の私は必死に考えた。

どうすれば、いるって言えるのかな。そうだ!!

 

「分かった!!今年は欲しいものはサンタさんにお願いするだけで誰にも言わないようにする」

 

今にして思えば、サンタを神とか精霊の類だと認定していたんだろう。

サンタクロースに神通力があるものだとばかり思っていた。

 

「今年はサンタさんに直接お祈りするから、お手紙は書かない!!パパとママ※には内緒にしておくの!!」

※私は中学に入ってもパパママ呼びであった。高校に入ってからおとん、おかん呼びになった。なかなかに拗らせている子供である。

 

親はさぞ困っただろう。トイレやお風呂、一人になれる場所では常に祈っていた。

「サンタさん。何でもいいです。プレゼントをください。物は拘ってません。親に教えずにもらえたら、信じてもらえるんです」

 

そんな日々を過ごし、12月も終わりに近づいた。

とうとうクリスマスの目前、というところで父に呼ばれた。

 

「なぁ、今年はクリスマス何が欲しいんだ?」

「パパには内緒!!サンタさんはすごいから、欲しいものが分かるんだよ!!」

「そうか」

 

今にして思えば、ここでこっそり教えていたら、もしかしたら、15年以上経った今でもサンタクロースの存在を信じていられたかもしれない。

この父の表情を読み取るには、私は幼すぎたのだ。

 

 そして、当日(24日)を迎えることになった。

その日学校があったのかは覚えていないが、おそらくあったのだと思う。確か27くらいから休みになったように記憶している。

私はいやに記憶力が良いので、このブログを書きながらあの日のことを思い出し、少し悲しくなってきた。クリスマス当日だというのに…。

 

「じゃあ、帰ったら報告な!!」

 多分、その日も友達と遊んで、祖母の家で親を待ってたと思う。

祖母と同居するために、一時的に住んでいた家の暗さが怖くなる時期だったことを覚えてる。

とにもかくにも、やっとサンタさんの存在を伝えられる!!と思ってワクワクしていたのは間違いありません。

 

車の音がして、やっと親が帰ってきました。

特別なことがない限りは家に帰ってからご飯です。

そんな時、父が真剣な顔をして言いました。

「今からクリスマスプレゼントを買いに行くから」

 

クリスマスプレゼント??カイニイク???

サンタさんが持ってくるから買わなくていいんだよ??

パパ、何変なこと言ってるの?

 

「実はサンタはいなくて、毎年プレゼントは親が買ってる。妹はまだ小さいから、教えちゃだめだよ」

 

サンタが…いない???何言ってるんだ????

サンタさんはいるはずなのに????

 

「で、これからおもちゃ屋さんに行くから、欲しいものを買おうね」

 

サンタさんはオミトオシじゃなかったの???

パパとおもちゃを買うの???サンタさんからのプレゼントは???

 

そこからの、明確な記憶はない。

翌日、枕元に例年通り置かれたプレゼントを見て、実感させられた。

 

父はこういうことを徹底する性格だったので、欲しいものは伝えたものの、購入シーンは見ていない。

 

この時内緒にした妹が、本当のことを知ったのはいつなんだろうか。

高校生になってからも枕元にプレゼントを置いてもらう形式をとっていたので、その頃までもしかしたら、って淡く信じる気持ちがあった。世間から見たら、幸せなお子様だったのだろうか。

 

今日、そんな私の枕元には何もなかった。

おかしい。恋人はサンタクロースではなかったようだ。