夏になったらとりあえず『人間失格』を読むようになって早10年が経過しようとしています...
最初は一番後ろの辞書を引きながら何日もかけて読んだのに今ではさくっと1時間もかからず読むようになりました。
作者 太宰治さんについて
太宰 治(だざい おさむ、1909年〈明治42年〉6月19日 - 1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。
本名、津島 修治(つしま しゅうじ)。左翼活動での挫折後、自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、第二次世界大戦前から戦後にかけて作品を次々に発表。主な作品に『走れメロス』『津軽』『お伽草紙』『人間失格』がある。没落した華族の女性を主人公にした『斜陽』はベストセラーとなる。戦後は、その作風から坂口安吾、織田作之助、石川淳らとともに新戯作派、無頼派と称されたが、典型的な自己破滅型の私小説作家であった。
wikiより
言わずとも知れた名作家、太宰治さん。
この小説は自身の生涯を現したともいわれています。
私小説(つまり自分の生涯を書く人)作家としても有名ですが、面白い小説もありますよね。
あらすじ
―――恥の多い人生を送ってきました。
常に、他人よりも不安を・つらさを抱えてきた葉ちゃんの生涯を描いている。
幼少期の哀しい思い出や学校時代のやり取りを話しつつ、女性が絡みだしてからが重たくなっていく。
何度も女性と心中を試みた主人公の、手記を公開した形になっている。
内心の描写を細かく描かれている、読めば読むほど深くなる名作。
感想
名言のオンパレードと思って読んでいます。
いつの時代にも苦しみの種は転がっていて、私たちは必死に生きている。
「非合法。自分にはそれは幽かに楽しかったのです」
自分の置かれている状況が、本当に落ち着かない。
自分が罪に問われる方が、まだわかりやすいという現れですね。
「逃げて、さすがに、いい気持ちはせず、死ぬことにしました」
上記の非合法な活動から逃げ、借金から逃げ、死ぬことを決めました。
このセリフを読むと今年も読んだなぁって思えます。
「女のひとは、死にました」
あくまで淡々と、名前も出さずに、死んだことを伝えます。
「世間というのは、君なんじゃないか?」
これも、いいですね...しびれる。
堀木が「それは世間が許さない」というセリフを投げかけて、の返しです。
世間=個人、という考えはとても考えさせられます。
彼女的評価
★★★★★
そりゃ好きじゃなきゃ毎年読まないでしょっていう話なんですが、、、。
人間失格は誰しも一度は感じたことのある(ブログ読むタイプの人ならきっと)恥ずかしさや、つらさ、苦痛を物語っているのでたまに読みたくなります。
初めて読む人でも読みやすく文学に触れることのできる一冊。
金銭感覚以外は結構現代でも考えられることが多くあると思います。
以上、とうとう来年にはラストシーンの葉蔵と同じ年になる彼女でした!
40歳に見られる27にはなりたくないですね...どうしても。